コバナシ//明快に面白い! シュールはなし! 爆笑・お笑い・ショートショート・ジョーク短編集
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2008/07/21 (Mon) 海岸の愛の伝説

500ピース 静かな海に差す光 05-864 私の彼はちょっと変わった仕事をしていた。警察の鑑識の仕事なのだ。
 指紋を採取したり、血痕を分析したり、現場の状態を記録したり、テレビの刑事ドラマに出てくるような仕事らしい。
 だから彼との話はいつも変わっている。事件の話、殺人の話、死体の話。彼は当たり前のように話したが、はじめのうちは付いていくのが大変だった。でも今では私も一緒になってそんな話しをしている。
 そんな彼と今日は海岸でデートをしていた。彼との話はやっぱり死体にまつわる話となった。でもいつもとはちょっと違った。
 二人で海岸を歩いていると彼言った。「この海岸にまつわる伝説って知ってるかい?」
「伝説? いいえ、知らないわ」
「昔の話なんだけどね、ここで愛し合う二人が心中自殺をしたんだよ」
「本当なの?」
「ああ、男は豪商の跡取りで、女は使用人だった。二人は愛し合ったけど身分が違いすぎた。そしてある時男は結婚することが決まったんだ。すると、その結婚式の日、女はこの海岸に身を投げた」
「まあ!」
「それを知った男は自分もその後を追ってこの海岸に身を投げたんだ。その三日後、二人の遺体がこの海岸にあがったんだけど、その時二人はきつく手をつなぎあっていたということなんだ」
「悲しいわ、でもロマンチックな話ね」
「それ以来、ここで愛を確かめ合うと、恋が成就するって話なんだ」
「へえー、そうなの」
「あ、そうだ」と、言って彼は立ち止まった。そしてしゃがむと砂に何か書き始めた。「書き終わるまで向こう向いててくれよ」
 私は言われた通り、彼に背中を向けた。
 しばらくして彼の「いいよ」と、いう声が聞こえた。
 私は彼が地面に書いたものを見て言った。
「ここがその現場なのね」

(了)

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