コバナシ//明快に面白い! シュールはなし! 爆笑・お笑い・ショートショート・ジョーク短編集
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2008/07/18 (Fri) 天国のパパヘ

天国への階段~レッド・ツェッペリン・トリビュート・アルバム [Compilation] アリサはある不思議なアンティークショップに入った。そこである一つの携帯電話に釘付けとなった。その携帯電話の説明には“死んだ人と話が出来る携帯電話”と書かれていたからだ。
 アリサがそれに見入っていると、その店のオーナーの老人が話しかけてきた。
「それが気になるかい」
 アリサは答えた。「うん」
「もしそれが君の物になるとしたら何をしたい?」
「パパと、死んだパパと話がしたい」
 アリサのパパは一年前に交通事故で死んでしまっていたのだ。女の子はパパのことが大好きだった。
 老人はその女の子の言葉を微笑みながら聞いた。そして言った。
「君にこれをあげるよ」
「本当!」
「本当だとも」
「ありがとうおじいちゃん」
 その携帯電話を手にしたアリサは何度も老人に手を振って帰って行った。老人は微笑みながらそれを見送った。

 自分の部屋に戻ったアリサは早速電話を掛けた。
 電話は三つのコールで出た。「パパ、わたし、パパなの?」
「ああ、アリサかい、パパだよ」
「本当、本当にパパなの!」
「ああ、本当にパパだよ」
「パパ、どうして遠くに行っちゃったの? アリサさびしいよ」
「ごめんよ、もっと一緒にいたかったんだけどね」
「パパ、いまどこにいるの、戻って来れないの?」
「ごめんよ、パパはいま天国って所にいるんだ」
「天国ってどこ、遠いの?」
「ああ、すごく遠い所なんだ」
「外国よりも遠い?」
「ああ、ずっとずっと遠いんだよ」
「どれぐらい遠いの」
「そうだね、宇宙の果ての、そのまたた果てのもっともっと遠くなんだ」
「そんなに遠くちゃ会いにいけないよ」
「そうだね、でもこうやって話はできる」
「うん、私毎日電話するね」
「ありがとう、楽しみに待っているよ」
 アリサはこうして毎日パパに電話をした。会えないのはさびしかったが声を聞けてとても嬉しかった。

 一ヵ月後、アリサのママは、請求書を見て気絶した。

(了)

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