コバナシ//明快に面白い! シュールはなし! 爆笑・お笑い・ショートショート・ジョーク短編集
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2007/07/13 (Fri) ゴールデンハンド

ぶるぶる ゴールドハンド
ある山の中腹の小さな寺に信仰熱心な和尚が住んでいた。和尚は朝起きると近くの滝に打たれるというお勤めを日課にしていた。そしてそれが終わった後、ビールを一杯飲むのが楽しみだった。

その日も滝に打たれた後、ビールを飲むために台所に行き、冷蔵庫からビールを出し、シンクにあったコップを洗うために蛇口をひねった。するとなんと蛇口からビールが出てきたのだ。

和尚はびっくりして思わず蛇口を閉めた。そして恐る恐る再び蛇口を開けると、今度は普通の水が出てきた。

和尚は頭を叩き、まだ寝ぼけているようだと思い直した。



別の日、孫にジュースを注いでやった。孫は一口飲むとそれを全部噴出してしまった。

どうしたことかと孫に聞くと。

「苦い!」

と孫は叫んだ。

そのジュースを飲んでみると、なんとそれはワインだった。



その日の午後、久しぶりに友人と飲み会を行うことになって、飲み屋に集まった。

安い酒をしたたか飲んで大いに盛り上がった。しばらくすると尿意を催したのでトイレに向かった。

用を足しながらある考えがふと浮かんだ。

たまには高級ウイスキーでも飲みたいものだ……。

すると、なにか用を足してる部分がヒリヒリとし始めた。そしてアルコールの匂いが出してる物から漂ってきた。

そう、高級ウイスキーを放尿していたのだ。

あまりの驚きに呆然としているとすべてを出し切ってしまった。

もったいないことをしてしまった……



飲み会もお開きになり、古い友人と二人きりになり、酔い覚ましにたまたまあった屋台のラーメン屋にふと立ち寄った。

そこで、ここ最近起こっている不思議な現象について友人に話した。

友人は目を輝かせながらその話を聞いてきた。彼はお酒には目がなかったのだ。

友人は言った。

「何とかして自由に酒を出せるようにするんだ、そしたら浴びるほど酒が飲めるじゃないか!」

もちろん言われるまでもなくそんなことができればそうしたいと思った。しかし実際なかなか難しいのだ。



あるときは急須のお茶が焼酎に、あるときは風呂に入ると湯船がお茶になった。

なかなかまともな形でお酒にありつくことはできなかった。

しかしだんだんコツのようなものがわかってきたのだ。

はじめから出そうとしても何も出ない。あくまでもふと思うことが重要なのだ。つまり水に触ったと同時に何かの飲み物をふと思うとそれが出てくるのだ。そして水流を止めるとただの水に戻ってしまう。



そして数日後、とうとうその日がやってきた。

その日も朝のお勤めを終えた後、ビールを一杯飲んでその後、庭の水巻をしようと、ホースを庭の水道に差込んだ。蛇口をひねる瞬間、テレビから高級ウイスキーのCMが流れた。すると次の瞬間、なんともいえない芳しい香りがホースから漂ってきた。

そう、ホースから高級ウイスキーを庭に撒いていたのだ。

和尚は家内を呼び出し、家中の器を持ってこさせた。そしてその中に片っ端からウイスキーを注いだ。

それだけでは飽き足らず、隣近所からありったけの器を借りてきてそれにウイスキーを注いだ。家の中にある、ありとあらゆる器は、とんでもない量の高級ウイスキーで満たされた。

和尚は近所の住人や、友人たちを呼んで早速酒盛りを始めた。ウイスキーは飲んでも飲んでもなくなる量ではなく、気絶するまで飲み続けた。



朝、家内が酔いつぶれていた和尚を起こして言った。

「お勤めの時間ですよ」

和尚は飛び起きて、急いで袈裟に着替えて滝に向かった。

まだ酒が抜けきっておらず、足はふらふらだった。

滝に着いて、酔い覚ましに滝の水で顔を洗った。

そして滝に打たれた瞬間、ふとあることが頭をよぎった。

次の瞬間滝から流れる水がすべてラーメンになってしまった。

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