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コバナシ//明快に面白い! シュールはなし! 爆笑・お笑い・ショートショート・ジョーク短編集
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2008/12/29 (Mon) 五発の銃弾を買う男

 あるガンショップに一人の男がやってきた。
 男は店主に「リボルバーと銃弾5発をくれ」と、言った。
 店主は言われた通りリボルバーと銃弾5発をカウンターに置いて「500ドルです」と、言った。
 すると男はマジックを取り出し、銃弾5発それぞれに1から5までの数字を書いた。
 そして男は“2”と書かれた銃弾に“怒り”と書いた。
 店主は興味を引かれて訊いた。「怒りって何です?」
 男は言った。「別れた女房の浮気相手にくれてやるんだ」
 男は続いて“3”と書かれた銃弾に“恨み”と書いた。
 店主は訊いた。「恨みって何です?」
 男は言った。「別れた女房の弁護士にくれてやるんだ」
 男は続いて“4”と書かれた銃弾に“未練”と書いた。
 店主は訊いた。「未練って何です?」
 男は言った。「別れた女房にくれてやるんだ」
 男は続いて“5”と書かれた銃弾に“よくやった”と書いた。
 店主は聞いた。「よくやったって何です?」
 男は言った。「自分自身にくれてやるんだ」
 男は続いて“1”と書かれた銃弾に“500ドル”と書いた。

(了)

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2008/12/21 (Sun) プレゼント合戦

 中の国という国にはとても美しい王女がいました。まだ若いその王女の美しさは隣国にまで伝わっており、憧れの対象でした。
 中の国はその周りを二つの国、西の国、東の国によって囲まれていました。

 西の国は経済が豊かで国王は大変なお金持でした。
 その国の王子は野心家で、ほしいものを手に入れるためには手段を選ばない人物でした。そして彼は中の国の王女に一目ぼれをしていました。

 東の国はあまり豊かな国ではありませんでした。しかし誠実な国王のおかげで人々は平和に暮らしていました。
 その国の王子は優しい人物でした。しかしそのせいで、かわいそうな人を見つけては、自分の物を与えてしまい、自分はいつまでも貧しいままでした。そしてそんな彼も、中の国の王女に一目ぼれをしていました。

 ある日、中の国の王女の誕生日会が大々的に開かれることになり、西の国の王子と東の国の王子も呼ばれました。
 その誕生日会で王女が結婚相手を決めるという噂が立っていました。

 西の国では王子が号令をかけて、家々から強制的に宝石などが集められました。

 東の国では噂を聞いた市民によって、自然となけなしの食べ物やささやかな宝飾品などが集まりませんでした。しかし王子はそれほど豊かでもない人々からそんなものを受け取る訳にはいかないとそれらを受け取りませんでした。

 そして中の国の王女の誕生日会の日、西の国の王子は牛車10台に山盛りの宝石を積んで、中の国に向いました。
 東の国の王子は、牛舎一台に城中を探してやっとかき集めたいくつかの宝石を乗せて、中の国に向いました。

 西の国の王子は道中、漆で作られた立派な箱を見つけました。中を確認した王子はこれは縁起がいいと、牛舎に乗せました。
 東の国の王子は道中、ダンボールで作られたみすぼらしい箱を見つけました。中を確認した王子はこれはみすぼらしいと、牛舎に乗せました。

 そしてお誕生日会、王女はそれぞれの王子のプレゼントを見ることになりました。
 まず王女は西の国の王子のプレゼントを見ました。その山盛りのプレゼントはどれも珍しくて高価なものばかりでした。そして王女は一つの立派な漆塗りの箱に目が行きました。
 その箱を開けると王女は「これ欲しいわ!」と、声を上げました。
 西の国の王子は言いました。「どうぞ、王女のために持ってきたのです。お受け取りください」
 王女は「ありがとう」と言って、西の国の王子いキスをして、その箱を抱えて行きました。
 西の国の国王が王子に聞きました。「一体あの箱の中には何が入っていたんだね?」
 西の国の王子は答えました。「道中で拾ったのですが、驚いたことに中には5000カラットのダイヤが入っていたのです。こいつは王女も喜ぶと拾ってプレゼントにくわえたのです」
 国王は言った。「なるほど、それはツイていたな」

 続いて王女は東の国の王子のプレゼントを見ました。そのささやかなプレゼントはどれも並みのもので、どこにでもあるようなものばかりでした。そして王女はひとつのみすぼらしいダンボールの箱に目が行きました。
 その箱を開けると王女は「これほしいわ!!」と、歓声を上げました。
 東の国の王子は言いました。「それはプレゼントではありません、差し上げる訳にはいかないのです」
 王女は「いやよ、これぜったいほしい、ほしい、ほしい!」と、言って泣き出しました。
 それでも東の国の王子は。「そんなものを王女にプレゼントしたとあっては私の立つ瀬がありません」と言って、譲りませんでした。
 すると王女は「じゃあこうしましょう。結婚しましょう、そうすればあなたのものは私のものになるわ、つまりこれも私にプレゼントしなくても私のものになるのよ!」
 東の国の王子は。「そういうことなら……」と、訳もわからず了解しました。
 王女は「ありがとう」と、言って漆の箱を放り投げて、ダンボールの箱を抱えて行きました。
 東の国の国王は王子聞きました。「一体あの箱の中には何が入っていたんだね?」
 東の国の王子は答えました。「それが、私にも訳がわからないのですが。道中で拾ったのですが、中にはみすぼらしい生まれたての子犬が入っていたのです。私はかわいそうになって思わず拾ってしまったのです」
 国王は言った。「お前らしいな」

(了)

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2008/12/20 (Sat) 夢記録ビデオ

 私はある時は無敵だった。空を飛び怪獣を倒し、たくさんの人に感謝された。
 そしてある時はモテモテだった。たくさんの美女とアバンチュールを楽しんだ。
 ただしこれは夢の中でのはなしだ。私は変わった特技としてほぼ理想どおりの夢を見ることが出来たのだ。さらに夢の中でこれが夢であると認識していた。
 私は自由に理想の夢をみて楽しんだ。しかし現実に戻ってしまえば当然のことながらそれは全て幻になってしまう。
 私は妻に急かされて朝食をとりながら考えていた。現実とは空しいものだ。せめて夢をカメラに録画して夢が覚めた後でも見れるようにならないものだろうか?
「ねえ、さっきから何をボーっと考えてるの?」妻が私を見て言った。
「いや、なに大したことじゃないよ」
「もしかして、浮気をしているとか?」
「ち、ちがうよ!」
「判ってるわよ、あなたにそんな甲斐性があるわけないでしょ」と、妻は笑って言った。
 私は少しばかりの抵抗とばかりに拗ねてやった。妻はそんな私には眼もくれずに二人の娘を学校に送り出すためにせわしなく動き回った。
 私が会社に行くために玄関に向うと、妻が珍しく「行ってらっしゃいと」言ってキスをした。さっき拗ねたせいだろうか。いや、違った。彼女は私の手にゴミ袋を持たせた。
 私はゴミ袋を持っていつもの時間に、いつもの家を出て、いつもの会社に向う。

 ある日の夢の中、私は世界最高の科学者になっていた。ノーベル賞を貰った私はある機械を開発することを考えた。
 それは見た夢を録画するビデオカメラだ。私は天才的な頭脳でその機械を完成させた。そしてその機械で私は夢の中の私の生活を録画した。
 とはいえその機械を開発したのは夢の中だ、現実に持っていけるわけではなかった。私はそう考えていた。しかし事実はそうではなかった。
 朝、目を覚ました私の手には一本のビデオテープが握られていたのだ。
 私は驚いた。しかしともかくベッドから飛び起きてリビングに向かい、ビデオデッキに差し込んで再生をした。
 するとそこには空を飛び、怪獣を倒す私の姿が映っていたのだ。夢の中で開発した夢を記録するビデオカメラを現実の世界へも持ってこれたのだ。
 テレビに映る私は世界を救いたくさんの人々に感謝されまさにヒーローだった。
 そしてたくさんの美女に囲まれモテモテだった。
 そして妻がいて子供がいて、せわしない日常をそれなりに楽しんでいた。
 私はビデオを止め、家族の写った写真立てを手に取り、一年前の事故を思い出し涙を流した。

(了)

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