コバナシ//明快に面白い! シュールはなし! 爆笑・お笑い・ショートショート・ジョーク短編集
--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2007/07/13 (Fri) 擦り切れるほど聴いたレコード

アビイ・ロード  友人が部屋の奥から大事そうに何かを持ってきた。それはビートルズのレコードだった。
「なつかしいな~昔はこういうので音楽を聴いてたんだな」と、私は言った。
「ああ、ビートルズのこのアルバムは擦り切れるほど聴いたよ」と、友人は言った。
「せっかくだ、聴くかせてくれよ」
「ああ、構わないよ」と、友人は言って、レコードジャケットからレコード盤を取り出した。
 いや、何も取り出さなかった。友人は何もない空間に、さもレコード盤があるかのように手でジェスチャーをしていただけだった。
「どうしたんだ、レコード盤を取り出せよ」と、私は言った。
「なに言ってるんだ、取り出しただろう」
「そっちこそ何言ってるんだ、なにも持ってないだろう!」と、私は言い返した。
 すると友人は言った。
「だから擦り切れるほど聴いたって言っただろう!」

(了)

スポンサーサイト

ショートショート | trackback(0) | comment(2) |


2007/07/13 (Fri) 幸せのブーケトス

ウェディングブーケBOOK (大型本) 売れない貧乏画家のトムは、その日も一枚の絵も売れなくて、そろそろ露天をたたもうとしていた。すると若い女がある絵を食い入るように見ていた。どこかの令嬢といった感じの女だっただった。

その女が見ていたのは、一輪だけ咲く花を描いた、小さな寂しい絵だった。それは気晴らしのために描いたもので、とても売り物になるような絵ではなかった。

「この絵を売って欲しいの」と、女は言った。

「いえ、それは売り物ではないんです」

貧乏画家とはいえプライドはある。売り物に値しないような絵を売るわけにはいかない。

女はそれを聞くとムッとした表情になり、なにを勘違いしたのかバックから札束を取り出し、それを見せて言った。

「これでどうかしら」

それはトムにしてみれば咽から手が出るほど欲しいものだった。しかしその態度がどうも気に入らなかった。思わずトムは言った。

「この絵はコイン一枚の価値もない、しかしその札束よりは価値のあるものなんですよ」

女は一瞬なにを言われたのか理解できない様子だったが、すぐに顔を真っ赤にして立ち去った。

トムは冷静になると、つまらない意地を張って大金を手に入れるチャンスを逃したことを後悔した。

翌日、その日もトムは露天で絵を売っていた。すると昨日来た女がまた現れた。そしてすこし照れくさそうな様子で言った。

「昨日のことを誤りたいの、あなたのプライドを傷つけしまうようなことをして、そんなつもりはなかったのだけど、どうしてもあの絵が欲しかったものだから」

「なぜあんな絵が欲しいのです?」

「わかりません、でもなんだかとても自分をみているようで……」

トムは女に絵を譲った。女はお礼にせめて食事をご馳走したいと言った。断る理由はなかった。それに実際腹ペコだった。

女の名前はナンシー、実業家の娘とのこと。

ナンシーはトムに聞いた。

「あの絵、あなたの部屋にある花の絵なの?」

「いや違うよ、自画像さ」

「そう……」

トムとナンシーはお互いに惹かれあい、数ヵ月後結婚を決めた。

しかしトムは貧乏絵描き、当然のごとくナンシーの両親、特に父親は大反対をした。ナンシーは家を飛び出てトムの部屋に暮らすことになった。

ナンシーはトムの画家としての成功のためにドレスの仕立ての内職をして家計を支えた。

ある日、仕立て屋の、ケビンが仕上がったドレスを受け取るために尋ねてきた。ナンシーは居なかったのでトムが彼女の縫い上げたドレスをケビンに引き渡した。

ケビンはトムを見て言った。

「なんか浮かない顔をしてるな?」

「なに、自分がナンシーにこのドレスの一枚すら買ってやれない男なんだなと思ってね」

「なに言ってるんだ、そんなの覚悟で彼女はあんたに付いて来たんだぜ」

「ああ、しかし結婚式すら挙げられないなんて、不甲斐ないよ」

「……なあ、俺のスーツを見てみな、どこで買ったと思う?」

「ずいぶんいい物じゃないか、高かったろう」

「自分でつくったんだ、古いソファーの布を縫い合わせてね」

「へ~たいしたものだな、そうは見えないよ」

「やろうと思ったらなんだってできんだよ、なあ、あの窓の白いカーテンあるだろう」

「ああ、それがどうかしたかい?」

「あれで俺が、ウエディングドレス作ってやるよ」

「ウエディングドレス?」

「結婚式してやろうぜ、シークレット結婚式をさ、きっとナンシー喜ぶよ」

トムは知っている人間に片っ端からこのシークレット結婚式の計画を話し、出席してくれないかと訪ね歩いた。すると意外なことにほとんどの人が快く了解してくれた。中にはいろいろと支援してくれる人たちもいた。

みんな表には出さなかったが、この若い二人のがんばりをひそかに応援していたのだ。

ケビンは古いカーテンから見事なウエディングドレスを縫い上げた。まったくたいしたものだった。トムはなんでも工夫しだいでなんとでもなるものだと思い知った。そして自分がたくさんの仲間たちによって支えられているということに気づかされた。

そしてある晩、トムはナンシーをとある会場の部屋の前に呼び出した。そしてその部屋に入るように言った。ナンシーがドアを開けて部屋を覗く、しかし中は真っ暗だった。すると突然灯りがついた。そこには立派なウエディングドレスが飾られていた。

「トム、これは!」ナンシーは思わず叫んだ。

「いまからこれを着て結婚式をあげるんだよ」

「ああ、なんてこと、すばらしいわ!」

ナンシーがウエディングドレスを着てトムと共に結婚式会場に入場した。そこには沢山の人達が二人を祝福するために集まっていた。ナンシーの女友達もいた。そして両親もいた。トムが何度も足を運んで説得したのだ。

トムはナンシーに言った。

「ウエディングドレスも、僕のスーツも、壁の装飾も、料理も、何もかもが手作りなんだ」

二人はケビンが扮した神父の前で指輪の交換をした。その指輪は木を彫刻して色を塗ったものだった。

「本物の結婚指輪は用意できなかったんだよ」

トムはそう言ってナンシーの指にその指輪をはめた。

ナンシーはその指の指輪を見ると言った。

「本物よりずっと素敵な指輪だわ」

そしてトムにキスをした。

「そのかわり、あるものを君に渡そうとおもってね」

トムがそう言うと、ケビンが布の掛かったキャンバスを持ってきて、ナンシーの前に置いた。そしてその布を取った。すると会場に感嘆の声が響いた。そこには見事な花束の絵が描かれていた。それは間違いなくトムの最高傑作だった。ナンシーの父親はそれを見て納得したようにうなずいた。

ナンシーのほほには涙が伝っていた。

「すばらしいわトム!」

「ナンシー、僕たちは出会った瞬間、あの絵の一輪挿しじゃなくなったんだよ!」

「ええ、そうね!」

トムはその絵をナンシーに手渡した。

ナンシーは絵を受け取ると言った。

「本物よりずっと素敵なブーケだわ」

そして後ろの女友達に向かって放り投げた。

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) 見えない落書き

PARIS GRAFFITI―パリの落書き (単行本) 女が朝の散歩をしていると、二人の中年の男が深刻そうな顔で話をしていた。

「またやられたな~」

「ああ、これで五度目だよ」

「塗り替えても塗り替えてもすぐにこれだ」

「こんな派手な落書きをするなんて」

男たちはシャッターを見つめながらそう話し合っていた。

女はそのシャッターを見たがこれと言って落書きのようなものは見あたらなかった。

男たちは会話を続けた。

「しかしまた、派手に描かれてるね」

「ああ、回数を重ねるたびに巧妙になってきやがる」

女はよくよく目を凝らしてシャッターを見たが、落書きなど見当たらなかった。少々の汚れはあったが、何の変哲もない、普通のシャッターだった。

男たちはその間も、落書き犯に対する怒りを語り合っていた。

女は首を傾げて、おかしな人たちだ、と思いつつその場を後にした。

男たちはその後も話し続けた。

「しかしここまで見事に描かれると、怒りを通り越して関心しちまうよ」

「ああ、まったくだ、微妙な汚れまで細かく再現してやがる」

「一体どこの物好きだよ、壁にシャッターの絵の落書きなんてするやつは」

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) おっちょこちょい病

おまけのオバケはおっチョコちょい (旺文社創作児童文学) (単行本) ある日の正午、突然すべてのテレビ局の番組が中断し、厚生省大臣による緊急会見が放送された。

「厚生省研究班の調査により、きわめて感染力の高い伝染病が発生したことがわかりました。その伝染病はほんの些細な接触によっても感染し、現在の医療技術では、完治はほぼ不可能なのです。その病気は感染すると、極度のおっちょこちょいになってしまうという、きわめて厄介な病気なのです!すでに国内に数百例の発病を確認しています!」

この病気はおっちょこちょい病と名づけられた。
この会見により世間は大パニックに陥ってしまった。

もしかしたら自分がそのおっちょこちょい病にかかっているのではないかと早合点した、ただのおっちょこちょいなだけの人がおっちょこちょいにも病院に殺到し、病院は自分がおっちょこちょい病なのではと思い込んだ、ただのおっちょこちょいであふれかえってしまった。

さらに悪いことに、おっちょこちょい病にはかかっていない、ただのおっちょこちょいなだけの人を、間違っておっちょこちょい病だと診断してしまう、おっちょこちょいな医者までの存在した。

そんなことで、普段はおっちょこちょいではない人も、些細なおっちょこちょいによって、自分もおっちょこちょい病にかかったのではないかとの疑心暗鬼を生み、どんな小さなおっちょこちょいも起こさないようにしようとの気遣いが、さらにおっちょこちょいを誘うという悪循環に陥ってしまった。

そんな時、突然総理大臣によって緊急会見が放送された。

「先日厚生大臣によって発表されたおっちょこちょい病に関する情報においていくつかの間違いがあったことを発表します。まずこの病気は感染力はほとんどなく、接触だけで感染するということは有り得ません。また治療においても時間を掛けることによって完治出来ることがわかっています。そして、国内においての感染例は確認されていますが、それもわずか一例です」

このことで、この騒動は急速に鎮静化に向かった。

厚生大臣は世間を混乱させた責任を取って辞任をした。

世間は再び平穏な日々を取り戻した。


官邸を後にする元厚生大臣に総理が話しかけた。

「まさか君がおっちょこちょい病にかかっていたとはな」

「申し訳ありません、総理」

「まあ、しっかり治療しなさい」

「はい」

元厚生大臣は官邸前に用意されていた救急車に乗り込んだ。

そしてハンドルを握り、アクセルを吹かして、救急隊員を置き去りにして走り出した。

(了)

ショートショート | trackback(0) | comment(2) |


2007/07/13 (Fri) 千年桜

ジオコレ 情景コレクション ザ・樹木 004 桜 中国の奥地にあるある険しい山、その頂上には千年咲き続けているという桜、千年桜があるという。

その桜を見た者には永遠の幸福が訪れるらしい。

しかしその桜を見たものはいない、それほどたどり着くのが難しい険しい山だったのだ。

単に体力があるだけではだめで、それはとてつもない精神力を有する人間だけだ頂上にたどり着けることが出来るという。

そして今日、一人の男がその頂上に挑んでいた。千年桜を見るために。

いや、目的などどうでも良かった、男は自分を試したかっただけだ。自分自身を見極めるために、そして恩師へ強くなった自分を見てもらうために。

わずか十年前、男はそんなことなど考えない愚かな人間だった。

その男が後に後に彼の恩師となる寺の住職と会うのは、男が安酒をたらふく飲んで、酔っ払って理性を失い住職の寺の桜の木をへし折ったのがきっかけだった。

住職はその折れた桜の木の弁済分、寺で働いて返すようにと男に雑用を言いつけた。

男は負い目もあり、しぶしぶその言いつけに従うことにした。

男に言いつけられたのはまさに修行と言っていい仕事だった。男は大変な苦労を強いられた。何よりもつらかったのは大好きな酒を飲めないことだった。

しかししばらくすると、男は自分がなんともいえない充実感を感じていることに気が付いた。

住職は見抜いていた。男は不幸が続き少々ひねくれていたが、根はまっすぐな男だ。精神を叩きなおしてやれば、利口さを身につけることが出来るだろう。

男は住職の見込みどおり、修行の末にどんどんと人間的成長を果たし、高い体力と精神力、そして利口さを身につけて行った。あれほど好きだった酒もきっぱりとやめることが出来た。

そして寺で五年ほど過ごした後、男はさらに高みを目指すために世界漫遊の修行旅をすることになる。

男は世界各国の修行場をめぐり、血のにじむような修行に明け暮れた。

そして五年、その修行旅の最終目的がこの山の頂上の千年桜を見ることだった。

男はほとんど断崖絶壁の山肌をよじ登る、そしてついに頂上に着いた。

そこには満開に咲く大きな桜の木が咲いていた。千年桜だった。

男がその桜に見惚れていると一人の老人が男に近づいてきた。

老人は言った。

「ほお、久しぶりに人が訪ねてきたな、ここまでたどり着くとはたいした男だ」

男は老人に言った。

「恐縮です、失礼ですがあなた様は?」

「私の名などどうでもいいじゃろう、お前と同じ道を求める者じゃ、少しばかりの超能力は有しておるがの」

「そうですか、さぞかし格の高い仙人とお見受けしました、老師と呼ばせてください」

「好きにすればええ」

「ところで老師、この桜を見たものには永遠の幸福が訪れると下界で聞いたことがあるのですが」

「あながち外れてはおらん、だが見るだけではだめだ」

「と、申しますと?」

「この桜の木の枝を、折って自宅に持ち帰れば幸福になれる」

「なんですって! この見事な桜の木の枝を折るですって!」

「そうじゃ、どうするかね?」

「……こんな見事な桜の木の枝を折るなんて出来ない、こんなものを拝めただけで私には眼福です、このまま山を降りることにします」

「うむ、己の欲望に勝つとはたいした精神力だ、よろしい、わしもこの桜の及ばずながら超能力の持ち主じゃ、お前さんの望むものをひとつ与えてやろう、何でも言ってみろ」

「そうですか、では安酒をたらふくいただきたい」

(了)

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) 意外な演奏方

LITTLE JAMMER PRO. tuned by KENWOODあるクラシック好きの夫婦が知り合いのつてで、オーケストラ舞台袖を見せてもらうことが出来た。

一人の演奏家が通りかかり、その彼から夫婦は話を聞くことが出来た。

すると彼が面白い物を見せますよ、と言って、バッグから筒を取り出した。

そして尺八を奏で出した。

夫婦は関心して拍手をした。

するとおもむろに、彼はその尺八を口から離した。しかしそのまま演奏は続けていた。

夫婦は「え!」と、声を上げた。

そう、彼は口で尺八の音まねをしていたのだ。

夫婦はさらに関心して拍手をした。

夫は言った。「いや、すばらしい、楽しいものを見させていただきました」

演奏家の彼が言った。「ちょっとした余興でしてね、結構受けるんですよ、ハハハ」

「余興だなんて、すばらしい芸です」

「恐縮です」

若いスタッフが、演奏家に、「出番です」と言った。

「それじゃあ」と、言って、彼は舞台に出て行った。

すると妻が言った。「あれ、あの人楽器持たずに舞台に出て行っちゃった!」

「あ、本当だ。どうするつもりなんだ?」

夫婦が心配して見ていると、その演奏家は、ある方法で演奏を始めた。夫婦は「あ!」と声を上げた。

オーケストラはすばらしい演奏を聞かせてくれた。特にあの演奏家はすばらしかった。

すべての演奏が終わり、あの演奏家が舞台袖に戻ってきた。

夫婦は関心して拍手で演奏家を迎えた。

夫は演奏家に言った。「いや、すばらしい指揮でした!」

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) 桜は見ていた

500ピース 満開の三春滝桜 75-256――桜は見ていた。人々の営みを。

そよ風に乗ってその桜の種が、小さな町の丘の上のお寺の境内に降り立ったのはおよそ百年前。それ以来その桜はその丘から町の風景、そして人々の営みを見続けることになる。

――桜は見ていた。人々の恐怖を。

第二次世界大戦、町は米軍の空襲によって焦土と化した。その桜のすぐ近くにも爆弾によって大きな穴が開けられたが、その桜は運良く難を逃れることが出来た。

――桜は見ていた。人々の力強さを。

戦後、何もない状態からの出発となった町の人々にとって、丘の上に奇跡的に咲く、その桜は大きな希望となった。人々はその桜の力強さを心の支えにして町の復興に力を尽くした。

――桜は見ていた。人々の欲望を。

バブル景気。人々は何かに駆り立てられるようにお金を求めた。土地が金を生むという神話は町の様相を大きく変えてしまった。そしてその矛先は桜の咲く丘にも向けられた。桜を切って高級マンションを立てようとの計画が持ち上がっていた。

――桜は見ていた。人々の優しさを。

町の人々は立ち上がった。その昔、その桜が人々の大きな心の支えになったということを忘れていはいなかったのだ。心ある人々が桜を地上げから守るために戦った。そのうちバブルは弾け、計画自体がなくなった。町の人々は勝ったのだ。

――桜は見ていた。人々の心の移り変わりを。

老いた桜は昔のように美しい花を咲かすことは無くなっていた。人々の興味は桜から失われていった。そしてバブル景気に続く新たな好景気。再びその桜を切り倒そうという計画が持ち上がった。しかしすでにこれに反対する人々は居なかった。

チェーンソウは唸りを上げて太い幹を切断する。幹はメシメシを音を立てて倒されていく。町の人々は一応同情をもってその桜の最後を見守った。

ドスンという激しい音を立てて桜の木が地面に倒された。するとその幹の切断面からコロンと白い丸いバスケットボール大の玉が二つ、転がり出てきた。よく見ろと黒い大きな丸い点がついていた。人々はそれを見ると仰天した。それはなんと巨大な目玉だったのだ。腰を抜かすもの、悲鳴を上げて逃げ出すもの、祈りだすもの、とにかく人々は慌てふためいていた。

――桜は考えていた。根っこを掘り返すともっと仰天するだろうな、こいつら。

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) 旅のシャワーの思い出

ウノフク Ed Kruger アルミニウムアタッシュケース(25-5007) S 「一人旅って本当に大変よ、
特に外国。
日本だとホテルで普通にシャワーが出るじゃない。
でも外国だと違うのね。
私が最初に止まったホテル、お湯の蛇口を捻っても、シャワーが出てこなかったのよ。
でもね、そんなのはいいほうなのよ。
二つ目のホテル。お湯の蛇口を捻ったら水が出てきたのよ。
私カゼ引いちゃうかと思っちゃった。
でもそんなのまだいいほうよ。
三つ目のホテル。お湯の蛇口を捻ったらサビ水が出てきたのよ。
口の中に入っちゃったわよ。
でもね、そんなのはいいほうよ。
四つ目のホテル。お湯の蛇口を捻ったら、カーテンが開いて男が出てきたのよ。
私死んじゃうかと思ったわよ」

「いいからしゃべらないで!」救急隊員が叫んだ「早く輸血を!」

「男の懐からナイフが出てきたのよ……
私のお腹から血が出てきたのよ……」

(了)

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) OL朝の大失態

OLスター(ピンク/M) 昼下がり、二人のOLがカフェで話をしていた。
「ねえ、聞いてよ、今日とんだ恥じをかいちゃったのよ!」
「どうしたの?」
「今日ね、目覚ましがならなくて、朝起きたらギリギリの時間だったのよ、それで急いで髪といて化粧して洋服を着て家を飛び出たの」
「ええ、それで?」
「そしたら電車のなかでみんなが私をじろじろ見るのよ、わたし変だな~って思ったの」
「それでどうしたの?」
「会社についたらみんなが私を見て笑うのよ、私は「どうして笑うの?」って聞いたの。そしたら課長が後ろを見ろって言ったの」
「後ろになにがあったの?」
「後ろを見たらね、首の後ろからハンガーの柄が飛び出ていたのよ、私ったらあせって洋服からハンガーを取らずにそのまま着て会社に来ていたのよ、とんだ恥をかいちゃったわ」
 相手のOLはしばらく考えてから言った。
「会社の洋服かけの横にあったタンス、あなたの?」

(了)

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) 愛がほしいと少女は言った

300ピース わらびをもつ少女 300-506” 少女が言った。
「あたい、愛が欲しいの。たった一つでいいの本当の愛が欲しいの」
 女が言った。
「愛っていうのは意外と近くにあるものなのよ、あの自動販売機を御覧なさい、あそこに愛が売っているわ」
「うそよ!」
「そう思うならそうなるわね、でも信じるならそれが本当になるの。信じて行ってごらんなさい」
 少女はうなずいて自動販売機に向かった。
 しばらくして少女が戻ってきた。
「どう、愛は買えたかしら?」
「ええ、でも取り出すことができなかった」
「おかしいわね、ちょっと行ってみましょう」
 少女と女は自動販売機に向かった。
 女が自動販売機を見て言った。
「三つも同時に買うから引っかかちゃってるじゃない!」

(了)

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) ゴールデンハンド

ぶるぶる ゴールドハンド
ある山の中腹の小さな寺に信仰熱心な和尚が住んでいた。和尚は朝起きると近くの滝に打たれるというお勤めを日課にしていた。そしてそれが終わった後、ビールを一杯飲むのが楽しみだった。

その日も滝に打たれた後、ビールを飲むために台所に行き、冷蔵庫からビールを出し、シンクにあったコップを洗うために蛇口をひねった。するとなんと蛇口からビールが出てきたのだ。

和尚はびっくりして思わず蛇口を閉めた。そして恐る恐る再び蛇口を開けると、今度は普通の水が出てきた。

和尚は頭を叩き、まだ寝ぼけているようだと思い直した。



別の日、孫にジュースを注いでやった。孫は一口飲むとそれを全部噴出してしまった。

どうしたことかと孫に聞くと。

「苦い!」

と孫は叫んだ。

そのジュースを飲んでみると、なんとそれはワインだった。



その日の午後、久しぶりに友人と飲み会を行うことになって、飲み屋に集まった。

安い酒をしたたか飲んで大いに盛り上がった。しばらくすると尿意を催したのでトイレに向かった。

用を足しながらある考えがふと浮かんだ。

たまには高級ウイスキーでも飲みたいものだ……。

すると、なにか用を足してる部分がヒリヒリとし始めた。そしてアルコールの匂いが出してる物から漂ってきた。

そう、高級ウイスキーを放尿していたのだ。

あまりの驚きに呆然としているとすべてを出し切ってしまった。

もったいないことをしてしまった……



飲み会もお開きになり、古い友人と二人きりになり、酔い覚ましにたまたまあった屋台のラーメン屋にふと立ち寄った。

そこで、ここ最近起こっている不思議な現象について友人に話した。

友人は目を輝かせながらその話を聞いてきた。彼はお酒には目がなかったのだ。

友人は言った。

「何とかして自由に酒を出せるようにするんだ、そしたら浴びるほど酒が飲めるじゃないか!」

もちろん言われるまでもなくそんなことができればそうしたいと思った。しかし実際なかなか難しいのだ。



あるときは急須のお茶が焼酎に、あるときは風呂に入ると湯船がお茶になった。

なかなかまともな形でお酒にありつくことはできなかった。

しかしだんだんコツのようなものがわかってきたのだ。

はじめから出そうとしても何も出ない。あくまでもふと思うことが重要なのだ。つまり水に触ったと同時に何かの飲み物をふと思うとそれが出てくるのだ。そして水流を止めるとただの水に戻ってしまう。



そして数日後、とうとうその日がやってきた。

その日も朝のお勤めを終えた後、ビールを一杯飲んでその後、庭の水巻をしようと、ホースを庭の水道に差込んだ。蛇口をひねる瞬間、テレビから高級ウイスキーのCMが流れた。すると次の瞬間、なんともいえない芳しい香りがホースから漂ってきた。

そう、ホースから高級ウイスキーを庭に撒いていたのだ。

和尚は家内を呼び出し、家中の器を持ってこさせた。そしてその中に片っ端からウイスキーを注いだ。

それだけでは飽き足らず、隣近所からありったけの器を借りてきてそれにウイスキーを注いだ。家の中にある、ありとあらゆる器は、とんでもない量の高級ウイスキーで満たされた。

和尚は近所の住人や、友人たちを呼んで早速酒盛りを始めた。ウイスキーは飲んでも飲んでもなくなる量ではなく、気絶するまで飲み続けた。



朝、家内が酔いつぶれていた和尚を起こして言った。

「お勤めの時間ですよ」

和尚は飛び起きて、急いで袈裟に着替えて滝に向かった。

まだ酒が抜けきっておらず、足はふらふらだった。

滝に着いて、酔い覚ましに滝の水で顔を洗った。

そして滝に打たれた瞬間、ふとあることが頭をよぎった。

次の瞬間滝から流れる水がすべてラーメンになってしまった。

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) 究極タイヤ

1/24 スポーツカーシリーズ No.305 ランボルギーニ カウンタック LP400未来の話。

あるタイヤメーカーの研究員が息を切らせてある開発主任の部屋にに飛び込んできた。

「やりました、ついに絶対にパンクしないタイヤを開発しました」
開発主任言った。

「でかした!」

その開発はその開発主任肝いりで、内密に進められていたプロジェクトだったのだ。

その開発主任は意気揚々とそのパンクしないタイヤの開発を社長会議で発表した。

するとそのことにある問題があることが発覚した。

そう、そんなものを発売すればみんなタイヤを買い換えないようになるのだ!

社長はその開発主任に命じた。

「そんなタイヤはすべて破棄しろ!」

こうしてこの世紀の開発はなかったものとされた。

開発に関わった開発主任や研究者達は、地方の小さな自動車メーカーに左遷された。

社長はホット胸をなでおろした。

「これでわが社も安泰だ」


一年後、その開発主任と研究者達は、左遷された自動車メーカーで浮いて走る車を開発した。

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/13 (Fri) 3007年宇宙の旅

Star Trek The Original Series / 16 Inch Starship : U.S.S. Enterprise NCC-17013007年、すでに国家などというものは意味を成していなかった。

人類はすでに銀河系を開拓し尽し、外宇宙へとその触手を伸ばそうとしていた。

その先遣隊として、日本州より選抜されたチームがあたることとなった。

そのチームの隊長のヤマダ・タロウはひとつの文章の暗記に苦心していた。

それは日本州がまだ国家だった頃に使われていた古代日本語で、世界共通言語が使われるようになったことにより、すでに数百年前に失われてしまった言語だった。

その言葉は旅の安全を祈願するために使われていた言葉らしいが意味については考古学者たちの見解は分かれていた。

天の神に対する敬愛の言葉であるとの説がもっとも有力であったが、旅立つ男が残していく女に送った愛の言葉であるとの俗説もある。

ただ発音についてはほぼ解明されていた。

日本の宇宙探索チームでは宇宙探検の前には祭壇の前で、このようなふるい言葉を使ってお祈りをささげるのが慣例となっていた。

極限まで科学が発展しているこの時代においても、そのようなふるい慣わしがまだ残っていたのだ。



          *



そして旅立ちの日。

タロウはチームを代表して祭壇の前に立って、あの言葉で神に祈りをささげた。

タロウは神妙な面持ちで言った。

「バナナはおやつですか」

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


2007/07/12 (Thu) 人肉焼肉店

★☆漫画のお肉☆★セラミックペーパーホルダー(陶器製)ある路地に評判の焼肉店があった。その焼肉店は、時々とてもおいしい珍しい肉を出すことで有名だった。店主の話ではその肉はラクダの肉だとのこと。

しかしその店にはある不穏な噂が立っていた。



『その肉を出す数日前には……必ず従業員が一人失踪する……』



一人の男がある疑問をもち、その肉をひそかに持ち帰り、しかるべき調査機関で調査した。

すると驚くべきことが分かった。



それはなんと牛の肉だったのだ!!



しかしただの牛ではない、とても珍しいものだったのだ。学会でも数例しかこの牛に関する報告はなかった。

その牛はアフリカの奥地に住む“クゾンミ・ウスウヨシ族”という少数民族が飼育しているらしい。

飼育には特殊な飼料配合が必要なようで、彼ら以外飼育が出来ないとのこと、なので食用にするなどというのはもってのほかだったのだ。

しかしその肉は大変美味であることが知られていた。ただ死んでから数時間ほどでその味は急速に悪くなってしまう、そのため加工しての輸出は不可能だとのことだ。

男はその事実を公表した。

店主は弁明した。

「騙したのは申し訳ない、この牛のことを知られたくなかったので
す!独自のルートでこの牛を入手しています!専用の飼料配合も教わっています!」

客としては肉がラクダでなくて牛でもそれが美味いのならそれでいい。いや、むしろ
より結構だ。

店としても別に違法は方法を使って入手しているわけではないので咎められる筋合い
ではない。

「まあ、従業員の失踪に関しては、その牛の飼料の配合がナイーブなので従業員を厳しく指導しすぎたためだ、これからはやさしくする」

と店主は反省の弁を述べた。

ちなみにその牛のことを現地では“シウイクトヒ”と呼ばれているらしい。

ショートショート | trackback(0) | comment(0) |


| TOP |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。